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1.次の各問いについて、最も適当なものを1~4から選びなさい。 |
(1) | 次の鎌倉にある美術館・博物館のうち,開館が最も新しいのはどれか。 |
1 | 鎌倉歴史文化交流館 |
2 | 鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム |
3 | 鎌倉国宝館 |
4 | 鎌倉市鏑木清方記念美術館 |
鶴岡八幡宮の平家池畔にある「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」は、旧神奈川県立近代美術館鎌倉館を利用したガイダンス施設で、2019年(令和元年)6月8日に開館しました。 10月1日には隣接する施設でベーカリーカフェもオープン。 鎌倉歴史文化交流館は2017年(平成29年)、鎌倉国宝館は1928年(昭和3年)、鎌倉市鏑木清方記念美術館は1998年(平成10)の開館。 |
鎌倉文華館 (鶴岡ミュージアム) |
鎌倉国宝館 |
歴史文化交流館 |
鏑木清方記念美術館 |
(2) | 神道,仏教,キリスト教が宗教の垣根を超え,東日本大震災の犠牲者を悼む追悼・復興祈願祭は,9 回目を迎えた今年はどこで開かれたか。 |
1 | 鶴岡八幡宮 |
2 | 円覚寺 |
3 | 日本基督教団鎌倉教会 |
4 | カトリック雪ノ下教会 |
(3) | 奥州藤原氏と源氏の過去を乗り越え,友好の証として,2019 年(平成 31)4月に平泉町から鎌倉市に寄贈された花は何か。 |
1 ハギ 3 ハス |
2 フジ 4 ツバキ |
中尊寺の大池跡に咲く「中尊寺ハス」5株が寄贈されました。 「中尊寺ハス」は、源頼朝の奥州征伐で滅ぼされた藤原泰衡の首桶から発見されたハスの実が発芽したもの。 贈呈式は、頼朝が平泉の寺院を模して建てたという永福寺跡で行われています。 |
大池跡 (中尊寺) |
永福寺跡 |
(4) | 室町時代,鎌倉府が事実上機能を果たさなくなるきっかけとなったできごとは何か。 |
1 中先代の乱 3 享徳の乱 |
2 永享の乱 4 応仁の乱 |
1454年(享徳3年)、鎌倉公方足利成氏が関東管領上杉憲忠を謀殺したことで起こった享徳の乱。 翌年、室町幕府が派遣した今川範忠に攻められた成氏は、鎌倉を離れて古河へ敗走。 これによって、源頼朝以来、武家の街として栄えてきた鎌倉も政治の中心から離れることとなりました。 |
(5) | 扇ヶ谷の地名の由来の一つとされる,室町時代に亀谷辺りに住み,「扇谷殿」と呼ばれた人物はだれか。 |
1 上杉憲顕 | 2 上杉定正 |
3 上杉氏憲 | 4 上杉氏定 |
英勝寺前のJR横須賀線踏切近くには「扇ヶ谷上杉管領屋敷跡碑」が建てられています。 扇谷上杉家は重顕を祖とする上杉氏の緒家の一つ。 「扇ヶ谷」という地名は、鎌倉時代後期頃からあったそうですが、海蔵寺から英勝寺付近の狭い範囲で、この地域の総称は、鎌倉七口の「亀ヶ谷坂」や壽福寺の山号「亀谷山」でもわかるとおり「亀ヶ谷」でした。 室町時代に上杉定正がこの地に住み、「扇谷殿」と呼ばれるようになったことから、「亀ヶ谷」という名がすたれ「扇ヶ谷」という名が一般的になったのだといいます。 |
(6) | 佐助に居を構えたことが,地名の由来の一つとされる佐介氏の祖である人物はだれか。 |
1 北条時盛 3 北条時房 |
2 北条長時 4 北条朝時 |
佐介氏は、鎌倉幕府で連署を務めた北条時房の長男・北条時盛を祖としています。 |
(7) | 足利義詮の遺骨が分骨され,足利氏の菩提寺の性格を帯びていた円覚寺の塔頭はどこか。 |
1 帰源院 3 正続院 |
2 黄梅院 4 松嶺院 |
円覚寺の塔頭黄梅院には、1368年(応安元年)、室町幕府二代将軍足利義詮の遺骨が分骨され、三代将軍義満は、塔主の義堂周信に怠りない勤行を命じたのだといいます。 |
帰源院 |
黄梅院 |
正続院 |
松嶺院 |
(8) | 光明寺を勅願所と定め,関東総本山の称号を与え,「十夜法要」を勅許した天皇はだれか。 |
1 後水尾天皇 3 後土御門天皇 |
2 後花園天皇 4 後陽成天皇 |
光明寺のお十夜は、1495年(明応4年)、第九世観誉祐崇が、後土御門天皇の勅命で清涼殿において「引声阿弥陀経」・「引声念仏」による法要を勤修したことで勅許されました。 これが浄土宗寺院での「お十夜」の始まりとなります。 また、「関東総本山」の称号も受けて「勅願所」とされました。 本堂(大殿)や総門には「勅願所」の額が掲げられています。 |
(9) | 浄智寺の曇華殿に安置されている本尊の三世仏坐像は,阿弥陀如来,釈迦如来とあと1つは何か。 |
1 大日如来 3 薬師如来 |
2 弥勒如来 4 阿閃如来 |
仏教における三世とは、過去・現在・未来のこと。 浄智寺の曇華殿の三世仏は、向かって左から阿弥陀如来(過去)、釈迦如来(現在)、弥勒如来(未来)。 弥勒如来は釈迦の入滅後56億7千万年後の未来に現われて衆生を救済するのだといいます。 参考までに、七福神の布袋尊は弥勒菩薩の化身といわれています。 |
浄智寺仏殿 (曇華殿) |
布袋尊 |
(10) | 光明寺開山然阿良忠が落慶までの間,居住したことから,今でも光明寺に入山する新住職が光明寺に向かう前に入る寺院はどこか。 |
1 千手院 3 宝善院 |
2 蓮乗院 4 多聞院 |
問題で光明寺の支院は千手院と蓮乗院。 蓮乗院は、蓮乗寺という寺でしたが、光明寺が佐助から材木座に移転した以後、光明寺の一院となりました。 光明寺落成までの間、然阿良忠が滞在したことから、光明寺の新しい住職は、いったん蓮乗院に入ってから入山するのだそうです。 参考までに、本尊は源頼朝の重臣千葉常胤の守護仏・阿弥陀如来像。 |
千手院 |
蓮乗院 |
(11) | 實相寺の開山である日昭の母は,有力御家人の娘であるといわれているが,その有力御家 人とはだれか。 |
1 和田義盛 3 千葉常胤 |
2 工藤祐経 4 比企能員 |
實相寺は、工藤祐経の屋敷跡に建てられた寺で、開山の日昭は祐経の孫といわれています。 祐経は鼓の名手で、一ノ谷の戦いで捕らえられて鎌倉に送られてきた平重衡をもてなす酒宴の席や、源義経の愛妾・静御前が鶴岡八幡宮で舞ったときに鼓を腕を披露しています。 1193年(建久4年)、源頼朝が催した富士裾野の巻狩りのときに、曽我兄弟に討たれました(曽我兄弟の仇討ち)。 |
實相寺 |
工藤祐経の墓 (富士宮市) |
(12) | 鎌倉時代の特徴的な彫刻手法を用いた写実的な裸形彫刻の仏像は現在鎌倉に何体あるか。 |
1 2体 3 6体 |
2 4体 4 8体 |
問題が導き出したいのは、鶴岡八幡宮の弁財天坐像、延命寺の地蔵菩薩像、青蓮寺の弘法大師像、薬王寺の日蓮像でしょうか・・・ |
(13) | 鶴岡八幡宮に所蔵される国宝「太刀 銘 正恒 附 糸巻太刀拵」を奉納した人物はだれか。 |
1 徳川家綱 3 徳川吉宗 |
2 徳川秀忠 4 徳川家斉 |
鶴岡八幡宮の国宝「太刀 銘 正恒 附 糸巻太刀拵」は、徳川幕府八代将軍吉宗が、1736年(元文元年)の修理造営の際に奉納したものと伝えられています。 |
(14) | 銭洗弁財天宇賀福神社の銭洗いの風習を定着させるきっかけをつくったとされる人物はだれか。 |
1 源頼朝 3 北条時頼 |
2 北条政子 4 足利尊氏 |
銭洗弁財天宇賀福神社は、源頼朝が宇賀福神の夢を見たことで創建された神社。 五代執権北条時頼は、霊水で金銭を洗い一族の繁栄を祈ったのだと伝えられています。 現在のように銭を洗うと数倍になって返ってくるという信仰が、いつから始まったのかは不明ですが・・・ |
夢のお告げ (源頼朝の信仰) |
銭洗い (北条時頼の信仰) |
(15) | 次の鎌倉の景観重要建築物等のうち,国登録有形文化財のものはいくつあるか。 |
東勝寺橋 鎌倉文学館 去耒庵 檑亭 鎌倉市長谷子ども会館(旧諸戸邸) 日本基督教団鎌倉教会会堂 三河屋本店 鎌倉聖ミカエル教会聖堂 寸松堂 のり真安齊商店 白日堂 旅館対僊閣 旧華頂宮邸(旧華頂家住宅) 極楽洞 湯浅物産館 |
1 9つ 3 5つ |
2 7つ 4 3つ |
問題で国の登録有形文化財は、鎌倉文学館・檑亭・鎌倉市長谷子ども会館・旧華頂宮邸・三河屋本店・寸松堂。 選択肢に「6つ」がありませんので、 受験者全員に1点加点。 |
(16) | 次の寺院のうち,御本尊が地蔵菩薩であるものはいくつあるか。 |
補陀洛寺 延命寺 建長寺 浄光明寺 光触寺 宝戒寺 明王院 圓應寺 海蔵寺 壽福寺 |
1 8つ 3 4つ |
2 6つ 4 2つ |
問題で地蔵菩薩が本尊なのは、建長寺と宝戒寺。 補陀洛寺は十一面観音菩薩、延命寺は阿弥陀如来、浄光明寺は阿弥陀三尊、光触寺は阿弥陀三尊、明王院は不動明王、圓應寺は閻魔大王、海蔵寺は薬師如来、壽福寺は宝冠釈迦如来。 |
建長寺 |
宝戒寺 |
(17) | 鎌倉十井に関する記述で正しいものはいくつあるか。 |
ア | 泉ノ井は,海蔵寺の門前にあり,徳川光圀の『鎌倉日記』には「泉井谷ノ辺ニ潔キ水涌 出ル也」と書かれている。 |
イ | 銚子ノ井は,材木座から小坪に抜ける海際の道沿いにあり,弓矢の名人であった源為朝が大島から放った矢がこの井戸に落ちたという伝説が残る。 |
ウ |
鉄ノ井は,小町通り北の端,鶴岡八幡宮に通じる道の角にある。井戸を掘ったとき,鉄でできた観音像の頭が出てきたことから鉄ノ井と呼ばれるようになった。 |
エ |
扇ノ井は,浄光明寺から薬王寺に向かう道の途中にあり,「扇ガ谷」という地名はこの 井戸に由来するという説もある。 |
オ |
甘露ノ井は,浄智寺の総門横の小さな石橋の脇にあり,この井戸の水は蜜のように甘く,不老不死の効能があるといわれていた。 |
カ |
瓶ノ井は,明月院境内にあり,別名,「甕ノ井」ともいわれる。 |
キ |
星ノ井は,極楽寺切通の登り口にある。鎌倉の歌枕「星月夜」は,この辺りの谷の名である星月夜ヶ谷からきているといわれる。 |
ク |
棟立ノ井は,覚園寺の薬師堂の背後の山際にあり,行基がこの地に滞在したときに井戸を掘り,ここから閼伽水を汲んだという言い伝えがある。 |
1 7つ 3 3つ |
2 5つ 4 1つ |
アの海蔵寺門前にあるのは底脱ノ井。 イの材木座から小坪に抜ける海際にあるのは六角ノ井。 クの覚園寺にある棟立ノ井は、弘法大師が掘ったと伝えられています。 |
(18) | 次の文中の下線部のうち,誤りを含むものはいくつあるか。 |
瓜ヶ谷やぐら群は,ア葛原岡神社のイ東側の谷にあるウ5穴からなるエ室町時代中期のやぐら群で,内部に丸彫りの地蔵菩薩像があるものは「オ地蔵やぐら」ともいわれる。鳥居形,カ五輪塔など壁面彫刻が多いことでも知られる。一帯は,国指定史跡ク亀ヶ谷坂とされている。 |
1 4つ 3 2つ |
2 3つ 4 1つ |
瓜ヶ谷やぐら群は、葛原岡神社の北側にある鎌倉時代のやぐら群。 市指定史跡となっています。 鎌倉検定では、葛原岡神社の北側にあることが過去にも出題されています。 亀ヶ谷坂は関係ありません。 |
(19) | 次の僧と開山となった寺院と禅師号など諡(おくりな)の組み合わせのうち,正しいものはいくつあるか。 |
ア | 大休正念…大慶寺…仏源禅師 |
イ | 無学祖元…円覚寺…仏光国師 |
ウ | 夢窓疎石…瑞泉寺…夢窓国師 |
エ | 蘭渓道隆…常楽寺…大覚禅師 |
オ | 然阿良忠…光明寺…記主禅師 |
カ | 真阿…浄光明寺…大鑑禅師 |
キ | 天岸慧広…報国寺…仏乗禅師 |
ク | 心昭空外…海蔵寺…源翁禅師 |
1 7つ 3 5つ |
2 6つ 4 4つ |
カの大鑑禅師は、建長寺、浄智寺、円覚寺、京都の建仁寺、南禅寺に住持した清拙正澄(せいせつしょうちょう)の諡。 |
(20) | 次の鎌倉市の天然記念物に指定されている花木と寺院の組み合わせのうち,正しいものはいくつあるか。 |
ア | オウバイ・ハクバイ…瑞泉寺 |
イ | カイドウ…海蔵寺 |
ウ | シロハギ…宝戒寺 |
エ | オオムラサキ…安養院 |
オ | ビャクシン・ボタン…建長寺 |
カ | タチヒガン・ビャクシン…浄智寺 |
キ | ツバキ…覚園寺 |
ク | ヤマブキ・ワビスケ…英勝寺 |
ケ | サザンカ・ヤマザクラ…安国論寺 |
コ | ビャクシン・イチョウ…大慶寺 |
サ | カイドウ…光則寺 |
シ | シダレザクラ…本覚寺 |
1 7つ 3 5つ |
2 6つ 4 4つ |
正しいのは、 カの浄智寺のタチヒガンとビャクシン、 キの覚園寺のツバキ、 ケの安国論寺のサザンカとヤマザクラ(市原虎の尾) サの光則寺のカイドウ の4つ。 その他、アの瑞泉寺のオウバイ、オの建長寺のビャクシン、クの英勝寺のワビスケ、コの大慶寺のビャクシンが鎌倉市の天然記念物。 |
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