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仏教では、人が亡くなると、十三の仏様が姿を変えた十三王によって裁決されるとされています。 現世のうちから、お参りをして、功徳をつみ、より良く生きようとするのが十三仏信仰です。 インドでは、人が亡くなると、七日目ごとに七回の供養が行われ、七七日(四十九日)が過ぎると、死者は生まれ変わるのだと考えられてきたようです。 中国では、唐の時代に十王信仰が成立し、供養日が三回増え、日本では、南北朝の時代に、さらに三回の供養日が増えて、十三仏信仰が成立したのだそうです。 鎌倉の十三仏霊場は、1983年(昭和58年)に定められています。 |
中国唐の時代の十王信仰では、人間の生死・寿命や死後の審判を司る神・泰山府君が十王信仰の一人となります。 泰山府君は仏教の閻魔大王に相当する神。 日本に伝えたのは比叡山の円仁といわれ、泰山府君を祀る京都の赤山禅院は円仁の遺命で建立されました。 陰陽道では最高神とされ、安倍晴明が始めた泰山府君祭で祀らるようになります。 やがて、神仏習合の中で十王信仰が取り入れられ、泰山王と呼ばれるようになったのだとか。 七福神の一人・福禄寿は泰山府君の別の姿といわれています。 |
※ | 2023年5月15日から・・・ 四番札所が壽福寺から報国寺に、八番札所が報国寺から禅居院に変更されています。 |
一番札所 |
初七日(7日目) 秦広王 (不動明王の化身) |
亡くなるとまず最初の裁判官である「秦広王」(しんこうおう)の裁きを受ける。 生前の行いによって三途の川を渡る場所が定められ、善人のみが橋を渡ることができる。 |
二番札所 |
二七日(14日目) 初江王 (釈迦如来の化身) |
三途の川のほとりでは、初江王(しょこうおう)の裁判を受ける。 |
三番札所 |
三七日(21日目) 宋帝王 (文殊菩薩の化身) |
宋帝王(そうていおう)によって、邪淫(じゃいん)の罪が裁かれる。 邪淫とは、夫や妻以外の者と関係をもつようないけない行為。 |
〜三途の川と六文銭〜 |
三途の川には、奪衣婆(だつえば)がいて、六文銭を持たない亡者の衣服が剥ぎ取られ、それが木の枝に掛けられ、枝のたれ具合で罪の重さを決定するともいわれています。 京都の六道珍皇寺には「幽霊飴」の伝説が残されています。 鎌倉の松源寺(廃寺)にも亡者が六文銭で飴屋に水飴を買いにきたという伝説が残されています。 |
六道珍皇寺 (京都) |
幽霊子育飴 (京都) |
四番札所 |
四七日(28日目) 五官王 (普賢菩薩の化身) |
五官王によって、五官の罪について裁かれる。 目を潰される者や舌を抜かれ者がいるなど地獄の苦しみが与えられる。 |
※ | 五官とは、眼・耳・鼻・舌・身の五つのこと。五官王は罪の重さを天秤にかけるので、嘘は通用しないという。 |
五番札所 |
五七日(35日目) 閻魔王 (地蔵菩薩の化身) |
閻魔王(えんまおう)の裁きを受ける。 生前の行いによって天上・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄の六道のうち、どこに生まれ変われるかが決定される。 |
六番札所 |
六七日(42日目) 変成王 (弥勒菩薩の化身) |
変成王(へんじょうおう)は、閻魔王の裁きを受けて、生まれ変わりの場所を決定する。 |
七番札所 |
七七日(49日目) 泰山王 (薬師如来の化身) |
泰山王(たいざんおう)は、閻魔王の裁きを受けて、男女の別や寿命を決定する。 |
※ | 亡者は、四十九日までの間は、この世からあの世への旅を続けているといわれている。 |
遺族がどれだけ供養するかにかかってきます。 |
八番札所 |
百ヶ日(100日目) 平等王 (観世音菩薩の化身) |
遺族は、平等王(びょうどうおう)に、貪り(むさぼり)の心を慎むことを誓って、亡者の追善供養を行うことによって、現世において功徳となる善行を積むことができる。 |
九番札所 |
一周忌 都市王 (勢至菩薩の化身) |
遺族は、都市王(としおう)に、怒りの心を慎むことを誓って、亡者の追善供養を行うことによって現世において、功徳となる善行を積むことができる。 |
十番札所 |
三回忌 五道輪廻王 (阿弥陀如来の化身) |
遺族は、五道輪廻王(ごどうりんねおう)に、愚痴の心を慎むことを誓って、亡者の追善供養を行うことによって現世において、功徳となる善行を積むことができる。 |
十三仏とは、初七日から三十三回忌までの十三回の追善供養仏事に配当した仏さまです。 仏さまが姿を変えた十三の王によって回忌ごとに裁決されます。 |
十一番札所 |
七回忌 蓮上王 (阿しゅく如来の化身) |
十二番札所 |
十三回忌 抜苦王 (大日如来の化身) |
十三番札所 |
三十三回忌 慈恩王 (虚空蔵菩薩の化身) |
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鎌倉十三仏の御朱印帳は、一番札所の明王院で購入できます。 |
鎌倉市十二所32 0467(25)0416 |
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