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赤山禅院(せきざんぜんいん)は、888年(仁和4年)に開かれた天台宗の寺院。 慈覚大師円仁の遺言により、安慧が中国・唐の赤山にあった赤山大明神(泰山府君(たいざんふくん))を勧請したのが始まりと伝えられている比叡山延暦寺塔頭の一つ。 もとは平安前期の公卿・南淵年名の小野山荘があったのだという。 本尊の赤山大明神(泰山府君)が陰陽道の祖神(おやがみ)とされることから、平安京(御所)の表鬼門(東北)を守護する寺院として信仰を集めた。 「赤山さん」の名で親しまれている。 都七福神めぐりの一つ(福禄寿)。 |
慈覚大師円仁は天台宗第三祖。 838年(承和5年)、遣唐使船に乗って唐に渡り天台密教を納めた。 帰国後、その行程を守護した赤山大明神(泰山府君)を祀る赤山禅院の建立を望んだが、果たすことができなかったのだという。 泰山府君(たいざんふくん)は南極星の精。 都七福神の一つ「福禄寿神」は、泰山府君の別の姿。 |
※ | 円仁が開山したり再興した寺院は、比叡山延暦寺の横川、浅草寺、中尊寺、毛越寺、江島神社中津宮など500以上になる。 |
泰山府君は人間の生死・寿命や死後の審判を司る道教の神。 仏教の閻魔大王に相当する。 陰陽道では最高神とされ、安倍晴明は泰山府君祭で祀っている。 清浄華院に伝わる『泣不動縁起』によると、三井寺の僧が病気となった際、晴明は泰山府君の法を修した。 |
安倍晴明の占いと師弟を救った三井寺の泣不動 |
亡者が出会うという十王のひとり泰山王のもとは泰山府君。 泰山府君はやがて仏教の十王信仰と結びつき、鎌倉時代には薬師如来の化身として信仰されるようになったらしい。 鎌倉の圓應寺は閻魔大王をはじめとする十王を祀る寺院。 |
拝殿の屋根の鬼門除けの猿は、比叡山延暦寺の守護神・日吉大社の神猿(まさる)とも言われている。 |
赤山禅院は比叡山延暦寺の「千日回峰行」の巡礼の地。 雲母不動堂は、「千日回峰行」の創始者・相応和尚が雲母坂に開いた雲母寺の本堂だった。 |
京都市左京区修学院開根坊町18 叡山電車 修学院駅下車徒歩20分 市バス5、31、65系統「修学院離宮道」下車 北8系統「修学院道」下車徒歩15分 |
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