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浄智寺の仏殿は「曇華殿」(どんげでん)と呼ばれている。 「曇華」は三千年に一度咲くという「優曇華」のことで、めったにない珍しい花であることから、貴重な仏堂という意味が込められているのだとか。 鎌倉に咲いた?優曇華の伝説 |
曇華殿前の3本の「ビャクシン」は、市の天然記念物。 |
曇華殿に安置されている三世仏は、南北朝時代のもので、わが国に伝わる三世仏の中でも造立年代の早いもの(県重文)。 仏教における三世とは、過去・現在・未来のことで、三世仏は向かって左から阿弥陀如来(過去)、釈迦如来(現在)、弥勒如来(未来)。 いずれも袖と裾を台座から垂らした宋風の像。 弥勒如来は、鎌倉十三仏の一つ。 |
如来は悟りを開いた仏、菩薩は悟りを求めて修行中の仏。 弥勒は、釈迦の入滅後56億7千万年後の未来に現われるという如来で、現在は修行中で菩薩だが、未来の姿を先取りして如来形の仏像も造られるのだという。 七福神の布袋尊は、弥勒菩薩の化身と言われる。 |
浄智寺の三世仏は阿弥陀如来が過去、釈迦如来が現在だが・・・ 京都泉涌寺の三世仏は、釈迦如来が過去で阿弥陀如来が現在。 |
地蔵菩薩坐像 |
韋駄天立像 |
「木造地蔵菩薩坐像」は国指定の文化財、「木造韋駄天立像」は鎌倉市指定の文化財。 鎌倉国宝館に寄託されている。 |
曇華殿には、三世仏像の他、木造達磨大師座像(江戸時代)、木造大休正念座像(室町時代)、木造南洲宏海座像(室町時代)が安置されている。 以前は、兀菴普寧座像も安置されていたという。 |
浄智寺の開山と開基 (開山も開基も複雑な寺) |
建長寺に住していたことのある玉隠が、荒廃した開山塔所西来庵の有様をなげき、これを再興しようと書いた勧進状(国重文:鎌倉国宝館に寄託)。 永正乙亥七月廿四日の日付がある。 |
曇華殿裏側の格子の中に安置されている。 南北朝時代のもので、1923年(大正12年)の関東大震災で破損したが、昭和初期に修復された。 かつては、山門の楼上に五百羅漢とともに祀られていたという。 鎌倉観音巡礼第31番札所本尊。 |
沙羅双樹ともいわれる「ハクウンボク」。 曇華殿の左手前に植えられている。 |
浄智寺は、鎌倉五山の第四位。 その格式にふさわしく、盛時には、蔵雲庵・正昭庵・正源庵などの塔頭や諸堂があったという。 |
鎌倉市山ノ内1402 0467(22)3943 北鎌倉駅より徒歩10分 |
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