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極楽寺(真言律宗)は、正嘉年間(1257〜59年)、北条重時の発願で正永和尚が深沢に建てた念仏堂(極楽寺と称していた。)を起源としている。 1259年(正元元年)、北条重時(二代執権北条義時の三男)が、その念仏堂を現在の地に再建し、1267年(文永4年)、重時の子長時(六代執権)、業時の兄弟が念仏寺だった極楽寺を律院に改めて、当時多宝寺にいた忍性を開山に迎えた。 七堂伽藍と四十九の支院を持つ壮大な寺院であったが、新田義貞の鎌倉攻めによって焼失、以後再建を繰り返したが、その度に焼失し、現在は吉祥院を残すのみ。 参考:極楽寺境内絵図(往古図) |
鎌倉観音巡礼第22番札所 (如意輪観世音) 鎌倉地蔵巡礼 第20番(導き地蔵) 第21番(月影地蔵) 鎌倉十三仏第12番札所 (大日如来) |
開山 | 忍性 |
開基 | 北条重時 |
本尊 | 釈迦如来 (清涼寺式釈迦如来) |
極楽寺の正式名称は「霊鷲山感応院極楽寺」。 開山の忍性が「霊ガ池」で祈祷を行っていると鷲までもが感応したという故事に由来するという。 |
開山の忍性は、律の布教と、様々な慈善救済事業に力をそそいだ。 |
飢饉・天災と極楽寺・忍性の救済事業 極楽寺の忍性が掲げた十の大願 極楽寺の千服茶臼〜忍性と茶〜 |
背後の山の中腹にある五輪塔が忍性の墓。 傍らには北条重時(北条義時の三男)の墓と伝わる宝篋印塔もある。 |
本尊「木造釈迦如来立像」(国重文) 京都の清凉寺の「釈迦如来立像」を模したもので「清凉寺式釈迦如来」と呼ばれている。 台座墨書に永仁5年(1297年)の銘がある像で、像高は157.8p。 転法輪殿に安置され秘仏とされている。 |
◎木造釈迦如来坐像(国重文) 全国でも珍しい転法輪の印を結ぶ像。 1252年(建長4年)、善慶によって彫られたものといわれている。 転法輪殿に安置。 |
◎木造十大弟子立像十躯(国重文) 本尊脇侍の十大弟子像は、胎内墨書によって1268年(文永5年)に忍性を願主として造立されたことが確認されている。 鎌倉様式の特色を表した群像で、十大弟子像の最後を飾る貴重な一群。 転法輪殿に安置。 |
◎木造不動明王坐像(国重文) もとは島根県の勝蓮寺にあった像で、大正5年に極楽寺に移された。平安時代の作。 本堂(吉祥院)に安置。 |
◎木造文殊菩薩坐像(市文) 鎌倉時代の像で、右手に剣、左手に経巻を持っている。 忍性は文殊菩薩を崇め各地で「文殊会」を行ったという。「文殊会」とは、貧困孤独の人々を集め戒を与え食を供する法会のこと。 ※文殊菩薩は貧困の人に化してこの世に現れるといわれている。 |
◎その他 金銅密教法具、銅骨蔵器、金銅五輪塔、銅骨蔵器、褐釉小壺、黄釉小壺金銅密教法具、金銅骨臓器、銅骨臓器(国重文)、木造忍性菩薩坐像(市文)など。 |
本尊「清涼寺式釈迦如来立像」の他、釈迦如来坐像、十大弟子像、釈迦如来坐像などが収蔵され、季節によって拝観することができる。 |
如意輪観世音が安置されている堂。 鎌倉観音巡礼第22番札所 |
伝上杉憲方墓 |
西方寺 (横浜・新羽) |
極楽寺の一院だった西方寺跡には、関東管領上杉憲方の墓と伝えられる七層塔がある。 西方寺は笹目に創建された寺院。 極楽寺が創建されるとその一院となり山内に移転した。 鎌倉幕府滅亡後、極楽寺が衰微すると武蔵国の新羽に移転したのだという。 |
導地蔵堂 |
月影地蔵堂 |
現存する日本最古の築港である和賀江嶋は、鎌倉時代、極楽寺の管理下に置かれ、関料徴収(津料)の権利も極楽寺に与えられていた。 津料とは、港を通過する人や貨物から徴収した税金のこと。 これは、開山の忍性の行った社会事業に対し、鎌倉幕府が下層民や職人の統括を極楽寺に委ねたことに起因している。 室町時代となっても足利尊氏より同様の権利が与えられている。 |
霊山山にあったとされる仏法寺は、極楽寺の支院の一つだった。 『極楽寺絵図』にも描かれ、霊山寺跡と呼ばれる遺跡と同じと考えられている。 平成14年度に発掘調査が行われ、平成18年に国の史跡に指定されている。 |
1785年(天明5年)、伊豆の金剛寺跡では、1326年(嘉暦元年)8月10日に入寂した極楽寺三世の善願房順忍の蔵骨器(舎利瓶)が発見された。 銘文によると順忍は、1180年(治承4年)に源頼朝の挙兵に従い、山木館襲撃で伊豆国目代の山木兼隆を討ち取った加藤景廉の子孫。 |
本尊開扉・ 忍性墓特別公開 |
長谷の灯かり |
八重一重咲分桜 |
サルスベリ |
八重一重咲分桜は、八代執権北条時宗のお手植えとされる。 |
江ノ電沿線の アジサイ |
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弁慶と北条時宗の伝説 |
鎌倉を訪れた後深草院二条・・・『とはずがたり』(okadoのブログ) |
鎌倉市極楽寺3−6−7 0467(22)3402 江ノ電「極楽寺駅」からすぐ |
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