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歴史・旧跡に関する記述について、最も適当なものを1〜4から選びなさい。 |
(1) | 源頼義がある戦いの勝利に感謝するため、石清水八幡を勧請して由比若宮(現在の元八幡・鶴岡八幡宮の前身)を建立したが、その戦いとは何か。 |
1 平将門の乱 2 前九年合戦(前九年の役) 3 平忠常の乱 4 後三年合戦(後三年の役) |
由比若宮は、源頼義が「前九年の役」の勝利に感謝するため、石清水八幡宮を勧請して建立しました。 その後、源頼朝によって現在地に遷座されています。 |
石清水八幡宮 |
由比若宮 |
(2) | 霜月騒動で安達泰盛を攻め滅ぼしたのはだれか。 |
1 平頼綱 3 長崎円喜 |
2 北条時宗 4 金沢貞顕 |
北条時宗の死後、安達泰盛が行った幕政改革に不満をもった内管領・平頼綱は、1285年(弘安8年)11月17日、泰盛父子を攻め滅ぼしました(霜月騒動)。 |
(3) | 稲村ヶ崎付近にある「十一人塚」に葬られているのはだれの家来か。 |
1 北条高時 3 足利尊氏 |
2 新田義貞 4 護良親王 |
1333年(元弘3年)、新田義貞は倒幕の挙兵をします。 鎌倉に迫った義貞は、大舘宗氏に極楽寺切通からの攻撃を命じます。 宗氏は極楽寺切通を突破しましたが、稲瀬川で北条軍の反撃に遭い、討死しました。 稲村ヶ崎の近くにある十一人塚には、宗氏以下11人が葬られた所と伝えられています。 |
(4) | 葛原岡神社北側の谷にある5つの穴からなる鎌倉時代のやぐら群を何というか。 |
1 腹切りやぐら 3 黄金やぐら |
2 唐糸やぐら 4 瓜ヶ谷やぐら |
葛原岡神社の北側にあるやぐら群は瓜ヶ谷やぐら群。 地蔵菩薩が安置された地蔵やぐらを中心とするやぐら群です。 |
(5) | 現在は廃寺となっているが、その跡が世界遺産候補地になっているのは、次のうちどの寺か。 |
1 最明寺 3 禅興寺 |
2 高松寺 4 永福寺 |
世界遺産候補となっているのは、源頼朝が創建した永福寺。 最明寺は北条時頼、禅興寺は北条時宗の創建ですが廃寺となっています(参考:明月院)。 高松寺は西御門にあった寺で、その山門は鎌倉山のらい亭に移築されています(参考:太平寺跡)。 |
(6) | 次の「鎌倉往還」のうち、新田義貞による鎌倉攻めのルートはどれか。 |
1 鎌倉街道「上の道」 2 鎌倉街道「中の道」 3 鎌倉街道「下の道」 4 金沢街道 |
1333年(元弘3年)、新田庄生品神社で倒幕の挙兵をした新田義貞は、利根川を越え、鎌倉街道を進んで入間川を渡り、小手指河原の戦い、分倍河原の戦いで北条軍を破り、5月22日には稲村ヶ崎を突破しました。 |
分倍河原 |
稲村ヶ崎 |
(7) | 源頼朝に奈良から招かれて勝長寿院の黄金の阿弥陀像を製作したと伝えられる仏師はだれか。 |
1 成朝 3 定朝 |
2 運慶 4 快慶 |
1185年(文治元年)、源頼朝の父義朝の菩提を弔うための勝長寿院が完成しました。 本堂の阿弥陀堂には、奈良から招かれた成朝によって黄金の阿弥陀仏が彫られたと伝えられています。 成朝は、奈良仏師の正統でしたが、没後は正統が絶え、代わって康慶・運慶と続く慶派仏師がその伝統を引き継いでいます。 勝長寿院には、のちに運慶の五大尊像も安置されたました。 |
(8) | 次の有力な御家人のうち、滅ぼされた年代を古い順に並べるとき、正しいものはどれか。 |
1 | 梶原氏→比企氏→三浦氏→和田氏 |
2 | 比企氏→梶原氏→三浦氏→和田氏 |
3 | 梶原氏→比企氏→和田氏→三浦氏 |
4 | 比企氏→梶原氏→和田氏→三浦氏 |
梶原氏は1200年(正治2年)に駿河国清見関で滅びました(梶原景時の変)。 比企氏は1203年(建仁3年)に北条時政と対立して滅亡しました(比企氏の乱)。 この乱後、源頼朝の子で二代将軍頼家が伊豆の修禅寺に幽閉されています。 和田氏は北条義時と対立して1213年(建暦3年)に滅亡しました(和田合戦)。 三浦氏は1247年(宝治元年)に北条時頼によって滅ぼされています(宝治合戦)。 |
(9) | 「鎌倉七口」の1つ「仮粧坂」について、次の説明文で内容が正しいものはどれか。 |
1 | 七里ヶ浜、腰越、片瀬を経て東海道へ通じる鎌倉・京都往還の出発点であった。 |
2 | 国指定史跡であり、「大切岸」や「平場」など、複雑な防御の跡が残されている。 |
3 | 国指定史跡であり、鎌倉の東側の守備と考えられ、「鎌倉七口」のなかで当時の姿を最もよく伝えている。 |
4 | 武蔵方面に通じる戦略上きわめて重要な拠点であったことは、新田義貞が鎌倉攻めの際に、主力軍を派遣したことでうかがえる。 |
1は稲村路か極楽寺切通、 2は名越切通、 3は朝夷奈切通の説明と思われます。 仮粧坂は、武蔵国へ向かう道として『吾妻鏡』にも出てくる武蔵大路にある切通。 |
(10) | 源頼朝の一族について、次の説明文で内容に誤りを含むものはどれか。 |
1 | 源頼家は、梶原景時や比企能員らの後ろ盾を失って、自らも密かに暗殺された。 |
2 | 源範頼は、郎従らとともに伊勢神宮領大庭御厨に乱入するという事件を起こした。 |
3 | 源実朝は、鶴岡八幡宮で行われた右大臣拝賀式の際、甥の公暁に暗殺された。 |
4 | 源義経は、公文所の別当大江広元に宛てて、「腰越状」を送るなど、兄頼朝の怒りを解こうと苦慮した。 |
2の説明は、源頼朝の父義朝のもの(参考:大庭城址・大庭御厨)。 頼朝の子頼家は、1203年(建仁3年)の「比企氏の乱」後、伊豆修禅寺に幽閉され、翌年暗殺されました。 頼朝の弟範頼は、1193年(建久4年)、富士裾野の巻狩りで起こった曽我兄弟の仇討ちの後、謀反の罪で伊豆修禅寺に流され、間もなく梶原景時に攻められ最期を遂げました(源範頼の謀反)。 頼朝の子実朝は、1219年(建保7年)、甥の公暁に暗殺され、勝長寿院に葬られました(源実朝の暗殺)。 頼朝の弟義経は、1185年(元暦2年)、平宗盛らを護送して鎌倉に凱旋しようとしますが、鎌倉に入ることは許されず、腰越に留まり、満福寺で大江広元宛てに腰越状を書いたのだと伝えられています。 |
歴史・旧跡について関連のあることがらの組み合わせとして誤っているものを1〜4から選びなさい。 |
(11) | 井戸、水と関連人物 |
1 金龍水−徳川光圀 2 底脱ノ井−安達泰盛 3 銭洗水−北条時宗 4 六角ノ井−源為朝 |
金龍水は徳川光圀の『新編鎌倉志』にも書かれた名水。 底脱ノ井には、安達泰盛の娘千代能の伝説が、 銭洗水には、北条時頼が銭を洗い一族の繁栄を願ったという伝説が、 六角ノ井には、弓の名手源為朝の伝説が残されています。 |
鎌倉五名水 |
鎌倉十井 |
(12) | 戦役と争った人物 |
1 宮騒動−北条時頼×名越光時 2 中先代の乱−北条時行×足利直義 3 宝治合戦−北条貞時×三浦泰村 4 永享の乱−足利持氏×足利義教 |
宝治合戦は、北条時頼が三浦泰村ら三浦一族を滅ぼした合戦。 |
歴史・旧跡について、次の説明文の[ ]に最も適当なものを1〜4から選びなさい。 |
12世紀の中頃、京都では院の近習として伊勢平氏が台頭し、源氏は圧倒されはじめていた。源義朝は父祖の権勢を回復し、平氏に対抗するため関東での勢力伸長を図った。いまの[ (13) ]辺りにあったとされる鎌倉の館を拠点として、[ (14) ]ら関東の有力者を動員し、高座郡鵠沼郷(藤沢市)や大庭御厨に侵入した。その御厨は、かつて[ (15) ]に仕えていた鎌倉権五郎景政が所領として開発し、[ (16) ]に寄進されていた土地であった。 |
(13) | |
1 甘縄神明神社 3 元八幡 |
2 壽福寺 4 英勝寺 |
源義朝の鎌倉館は、壽福寺辺りにあったとされています。 逗子の法勝寺辺りにも館があったと伝えられています。 |
(14) | |
1 千葉常胤 3 畠山重忠 |
2 上総介広常 4 三浦義明 |
鎌倉権五郎景政が開発した大庭御厨は、横浜市、藤沢市、茅ヶ崎市にかけての広大な土地で相模国最大の御厨でした。 1144年(天養元年)、源義朝は大規模な収奪を行っています。 |
(15) | |
1 源頼信 3 源義家 |
2 源頼義 4 源義光 |
鎌倉権五郎景政は、後三年の役に源義家に従って参戦。右目を射られながら奮戦したという伝説が残されています。 そのため、景政を祭神とする坂ノ下の御霊神社は「目の神様」として親しまれています。 |
(16) | |
1 伊勢神宮 3 藤原摂関家 |
2 熱田神宮 4 白河法皇 |
御厨とは、神への供物を調達するための領地。 鎌倉権五郎景政が開発した大庭御厨は伊勢神宮に寄進されました。 |
壽福寺 |
鎌倉権五郎景政 |
鎌倉の遺跡の発掘調査が本格的に始まったのは、昭和40年代後半以降で、主な対象は、[ (17) ]だった。昭和50年代には、東勝寺跡、極楽寺や鶴岡八幡宮境内、永福寺跡などの発掘調査が行われた。市街地での発掘調査は、1975年(昭和50)の[ (18) ]の改築にともなう調査が皮切りになった。1981年(昭和56)には鎌倉駅西側、今小路付近の調査が行われ、[ (19) ]小学校校庭内から古代の[ (20) ]の跡などが見つかった。 |
(17) | |
1 やぐら 3 城址や山城 |
2 古代の横穴墓 4 廃寺等 |
(18) |
1 鎌倉市役所 2 鎌倉市立中央図書館 3 鎌倉郵便局 4 鎌倉警察署 |
(19) | |
1 第一 3 第二 |
2 御成 4 玉縄 |
(20) | |
1 古墳 3 砦 |
2 関所 4 郡衙 |
(17)・・・1 (18)・・・3 (19)・・・2 (20)・・・4 |
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