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鎌倉の芸術・文化に関する記述について,最も適当なものを 1 ~ 4 から選びなさい。 |
(56) | 2019 年(令和元)6 月 8 日に開館した「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」が畔に建っている池はどれか。 |
1 平家池 3 白鷺池 |
2 源氏池 4 大覚池 |
「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」は、鶴岡八幡宮の平家池の畔にある施設。 旧神奈川県立近代美術館鎌倉館の建物が利用されています。 白鷺池は円覚寺、大覚池は建長寺塔頭回春院にある池。 |
(57) | 中国から茶の種(苗)を持ち帰り健康保持によいと喫茶を奨励した栄西は,だれに「喫茶養生記」を献上したか。 |
1 源実朝 3 源頼朝 |
2 源頼家 4 北条政子 |
『喫茶養生記』は、壽福寺開山の栄西によって書かれた上下二巻からなる茶の効用が書かれた我が国最古の茶書。 栄西は、二日酔いに苦しむ源実朝に茶をすすめ、『喫茶養生記』を献上したのだと伝えられています。 |
栄西禅師坐像 |
喫茶養生記 |
栄西は、中国・宋から茶の種を持ち帰り、筑前で茶を栽培しました。 のちに建仁寺でも栽培しています。 栄西から茶の種を譲り受けた明恵は、栂尾の高山寺で茶を育て、宇治に移植し、茶の栽培を行います。 これが「宇治茶」の始まりです。 東福寺の開山となった円爾は、宋から持ち帰った種を駿河に普及させました。 |
茶碑 (京都:建仁寺) |
桑の碑 (京都:建仁寺) |
(58) | 次のうち,鎌倉三名鐘に含まれないものはどれか。 |
1 円覚寺梵鐘(洪鐘) 2 長谷寺梵鐘 3 建長寺梵鐘 4 常楽寺梵鐘 |
(59) | 次のうち,鎌倉で唯一,神奈川県無形民俗文化財に指定されているものはどれか。 |
1 鶴岡八幡宮の流鏑馬 2 御霊神社(坂ノ下)の面掛行列 3 鶴岡八幡宮舞殿の静舞 4 材木座の鎌倉天王唄 |
流鏑馬 |
面掛行列 |
静の舞 |
潮神楽 (汐まつり) |
(60) | 鎌倉五山の制度が確立したときの将軍はだれか。 |
1 源実朝 2 藤原(九条)頼経 3 足利義満 4 足利義政 |
鎌倉五山の制度というより、五山の制度といった方がいいのかもしれません。 五山は鎌倉幕府が定めたことに始まり、幕府滅亡後は、後醍醐天皇、足利尊氏、足利義詮がそれぞれの五山を定めました。 最終的な五山を定めたのは足利義満。 義満は五山の上に南禅寺を置き、京五山・鎌倉五山を定めています。 |
(61) | 奈良の当麻寺所蔵の浄土変相図の由来を描いた国宝「当麻曼荼羅縁起絵巻」を所蔵しているのはどこか。 |
1 鶴岡八幡宮 3 建長寺 |
2 光明寺 4 円覚寺 |
『当麻曼荼羅縁起絵巻』は、内藤家から光明寺に寄進されたもの。 |
春の光明寺展は、『当麻曼荼羅縁起絵巻』の写本をはじめとする光明寺の宝物が公開されるイベント。 |
(62) | 鎌倉幕府 3 代将軍源実朝の家集は何か。 |
1 『金槐和歌集』 2 『山家集』 3 『千載和歌集』 4 『玉葉和歌集』 |
(63) | 鎌倉幕府の滅亡から南北朝の争乱を経て朝廷が統一されるまでが記された軍記物語は何か。 |
1 『大鏡』 3 『愚管抄』 |
2 『太平記』 4 『栄華物語』 |
『大鏡』は平安時代の歴史物語、『愚管抄』は鎌倉時代初期の歴史書、『栄華物語』は平安時代の歴史物語。 |
(64) | 息子冷泉為相の領地相続をめぐる訴訟のために,京都から鎌倉に下り,月影ヶ谷に住んで,その日々を『十六夜日記』に著した人物はだれか。 |
1 和泉式部 3 後深草院二条 |
2 阿仏尼 4 覚山尼 |
阿仏尼は、八代執権北条時宗に為相の相続の正当性を訴えるため、1279年(弘安2年)、鎌倉に下ったとされています(1277年(建治3年)だったという説も。)。 後深草院二条も『とはずがたり』で鎌倉に滞在したことを書いています。 和泉式部は平安時代の歌人、覚山尼は東慶寺の開山。 |
(65) | 夏目漱石が参禅し,「佛性は白き桔梗にこそあらめ」の句碑が残る円覚寺の塔頭はどこか。 |
1 黄梅院 3 龍隠庵 |
2 帰源院 4 佛日庵 |
1894年(明治27年)末から翌年にかけて、円覚寺の塔頭起源院に止宿した作家夏目漱石は、釈宗演に参禅し、その体験は小説『門』に描かれました(参考:円覚寺の山門)。 |
(66) | 久米正雄,川端康成や高見順らが発案メンバーとなり,1945 年(昭和 20)5 月に鎌倉文士たちが蔵書を持ち寄って開いた貸本屋で,後に東京へ進出し出版社となったのは何か。 |
1 草土社 3 文藝春秋 |
2 岩波書店 4 鎌倉文庫 |
(67) | 大正関東地震(関東大震災)の際に多くの貴重な文化財が失われたことを教訓に,災害から文化遺産を守り,鎌倉を訪れる人々が文化財を拝観できる展示施設としてつくられたのは何か。 |
1 神奈川県立近代美術館 2 鎌倉宮宝物殿 3 鶴岡八幡宮宝物殿 4 鎌倉国宝館 |
関東大震災の教訓から、鶴岡八幡宮の境内に建設されたのは鎌倉国宝館。 本館は、奈良東大寺の正倉院を模した「高床式校倉風」に造られ、国の登録有形文化財です。 |
(68) | 鎌倉彫のもとになる宋の彫漆工芸を日本に持ち込んだといわれる人物はだれか。 |
1 無学祖元 3 蘭渓道隆 |
2 成朝 4 陳和卿 |
鎌倉彫は、宋の工人陳和卿(ちんなけい)が持ち込んだ彫漆工芸を真似て、運慶の子康運が仏具を作ったのがはじまりと考えられています。 陳和卿は、平重衡の南都焼討によって灰燼と帰した東大寺の大仏鋳造と大仏殿の建設に尽力した人物。 |
鎌倉彫再興碑 |
鎌倉彫会館 |
(69) | 北鎌倉の浄智寺境内に住み,女性として初めて鎌倉の名誉市民なった人物はだれか。 |
1 小倉遊亀 3 吉屋信子 |
2 永井路子 4 田中絹代 |
鎌倉市名誉市民は、川端康成・小倉遊亀・横山隆一・加瀬俊一・永井路子・吉田秀和・蓮田修吾郎・平山郁夫。 |
(70) | 「近代日本最大の仏教者」ともいわれる鈴木大拙が研究のために東慶寺に創設したものは何か。 |
1 東慶寺文庫 3 松ヶ岡文庫 |
2 金沢文庫 4 常盤山文庫 |
鈴木大拙は、円覚寺の釈宗演に参禅。 晩年は鎌倉に住み、東慶寺境内に財団法人松ヶ岡文庫を創設して研究生活を送りました。 |
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