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「塔ノ辻」は、道路が交差する「辻」に「塔」が建てられている所。 由比ヶ浜大通り(長谷小路)の笹目の十字路には塔が残されている。 鎌倉には、「塔ノ辻」と呼ばれる場所が7箇所あった。 筋違橋(宝戒寺)付近、鉄ノ井付近、建長寺前、浄智寺前、円覚寺前、下馬、そして笹目。 伝説によると、由比の長者といわれた染屋時忠の娘が鷲にさらわれ、散らばっている肉片や骨を見つけては塔を建てて供養した所が「塔ノ辻」だといわれている。 笹目にある五輪塔は、唯一の塔ノ辻の遺構。 古地図によると、染屋時忠の屋敷近くにも多層塔の絵が描かれている。 こちらは「長者塔」と呼ばれていたのだという。 |
甘縄神明神社 来迎寺(如意輪観音) 魔の淵のお地蔵さま 辻の薬師堂 妙法寺(鷲の宮) 六国見山(稚児墓) 多聞院(岡野観音) |
「塔ノ辻」から斜めに由比ヶ浜へと向かう道は、1271年(文永8年)9月12日、日蓮が龍ノ口へ護送される時に通った道(龍ノ口法難)。 現在は、長谷観音の交差点から海岸方面への道が整備されているが、鎌倉時代にはその道がなく、塔ノ辻から斜めに入る道が海岸への道(坂ノ下・極楽寺ヘと通じる道)であったのだという。 |
日蓮は、『種種御振舞御書』に「ゆひの浜にうちいでて」とあることから、塔ノ辻から由比ヶ浜に出たものと考えられる。 そこから、「稲村路」(稲村ヶ崎)を越えたのか「極楽寺切通」を越えたのかは不明。 ただ、同書には「御霊神社」という名も見えることから、極楽寺切通を使用したというのが一般的となっている。 ただし、この時代に、極楽寺切通が掘削されていたかは疑問がのこるところ。 |
鎌倉市笹目町5−1 江ノ電和田塚駅より徒歩5分 |
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