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明石の姫君は、紫式部の『源氏物語』の主人公・光源氏の唯一の愛娘。 母は明石の君。 祖父の明石入道は、「明石の君が天皇の母となる娘を産む」という夢告を受けていたが・・・ 身分の低い明石の君から生まれたため、光源氏は明石の姫君を二条院に迎えて紫の上の養女として育てることに。 紫の上のもとで美しく育った明石の姫君は、11歳の時に裳着を行い、東宮(のちの今上帝)に入内。 13歳で懐妊し、男児を出産(第一皇子)。 願いの叶った祖父の明石入道は、家を寺として弟子を残し、深山に入ったのだという。 明石入道からの手紙を読んで、入道や母の明石の君の愛を知った姫君は、思いやり深い女性に成長。 生まれた男児は、今上帝が即位したことで新たな東宮に立てられ、明石の姫君は中宮となった。 帝との間に四男一女を産んだが、宇治十帖に登場する匂宮は第三皇子。 養母の紫の上が死去する際には、光源氏とともに最期を看取っている。 |
風俗博物館~道長の栄華・彰子に仕えた紫式部・源氏物語~ |
岡之屋形跡歌碑は、明石の姫君の母・明石の君の岡辺の家跡に建てられた碑。 明石の君は、明石時代の光源氏の愛人。 光源氏が都に帰った後、明石の姫君は生まれている。 |
大堰の邸は、明石の君が上京したときに明石の姫君とともに住んだ邸宅。 |
二条院は、光源氏が明石の姫君を迎え入れた邸宅。 |
六条院は、『源氏物語』の中で光源氏が六条京極に造営した架空の建築物。 明石の姫君は春の町に、明石の君は冬の町に住まいした。 明石の姫君の裳着は六条院で行われ、腰結の役は光源氏の養女・秋好中宮が務めた。 |
鎌倉の東慶寺の初音蒔絵火取母の図柄は、明石の君が姫君に贈った和歌と関係がある。 |
鴻臚館は、能登国の能登客院や越前国の松原客館に滞在していた渤海使を招いていた施設。 『源氏物語』~澪標の巻には、桐壺帝が幼い光源氏の人相を鴻臚館に滞在していた高麗人に占いさせ・・・ その結果、「将来三人の子が生まれ、それぞれ帝・后・太政大臣になる」と出たことが描かれている。 三人とは・・・ 藤壺との間に生まれた冷泉帝、明石の君との間に生まれた明石の姫君(今上帝の中宮)、そして、葵の上との間に生まれた夕霧。 ただ、夕霧は左大臣になったところまでしか描かれていない。 |
『源氏物語』で宇治を舞台に描かれた「宇治十帖」は、光源氏の次男の薫と孫の匂宮、 そして、 光源氏の異母弟・八の宮の娘たち大君・中の君・浮舟の悲しい恋の物語。 |
明石の姫君(中宮)が産んだ匂宮は、八の宮の次女・中の君と結婚。 紫式部の泉は、『源氏物語絵巻』の3場面をモチーフにつくられた噴水で、 琵琶を弾く匂宮とそれを聞く中の君の場面も。 明石の中宮は二人の仲を反対していたが、中の君が男子を出産すると、その誕生を祝福している。 |
「匂宮と浮舟の像」は、匂宮が雪をおかして宇治へ向かい、小舟で宇治川を漕ぎ出し、浮舟に永遠の愛を誓う場面をモチーフにしたもの。 『源氏物語』は、薫と匂宮の間で進退きわまった浮舟が出家したことで幕切れとなる。 |
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