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大学寮の学生だった光源氏の息子・夕霧は、雲井の雁との失恋で何も興味が持てないでいたが・・・ 五節の夜は二条院に行っていた。 そのとき、五節の舞姫に選ばれて二条院に到着した藤原惟光の娘を屏風のうしろからのぞき見する。 雲井の雁と同じ年ごろで、少し背が高くて、あざやかな美しさだった。 そして、 「あめにます とよをかひめの 宮人も わが心ざす しめを忘るな」 (天上にいらっしゃる豊受姫の宮人(舞姫)よ、私があなたを自分のものと思っていることを忘れないでください) と声を掛けるが、舞姫(惟光の娘)は誰の声なのか見当もつかず、気味悪く思っている・・・ そこへ世話役の女房たちがやってきたので、夕霧は残念に思いながらその部屋を立ち去った。 その後、惟光の娘は典侍(女官)として宮中に参内することが決まる。 ある日、夕霧は惟光の娘の弟に御所に入る日を訪ね、今年のうちに参内することを知る。 そして、弟に姉に逢わせてくれるよう頼むのだが、 「姉は男兄弟も近づけない」 と断られてしまう。 仕方がないので手紙を書いて弟に届けてもらうことに。 「日かげにも しるかりけめや をとめごが あまの羽袖に かけし心は」 (日の光が当たるところでおわかりになったことでしょう。天の羽衣の袖を振って舞ったあなたに惹かれている私の心を) 舞姫は嬉しく思いましたが、手紙を詠んでいる所へ父の惟光がやってきてしまう。 惟光は姉弟を叱りつけますが、夕霧から頼まれた手紙であることを知ると喜びはじめる。 それは、女官にするよりは夕霧の妻とした方が良いから・・・ 明石入道になる気でいたらしい。 『源氏物語』~少女の巻~のタイトルは、夕霧が詠んだ歌の「をとめ」(少女)からのもの。 光源氏が筑紫の五節に贈った歌にも「をとめ」が詠まれている。 |
五節の舞姫~新嘗祭・大嘗祭で舞った舞姫と貴族~ 光源氏と筑紫の五節の贈答歌~ 源氏物語(少女)で描かれた光源氏の舞姫 |
光源氏は若い頃、右大臣の娘・朧月夜との密会が露見し、自ら須磨へ退いている。 その後、住吉明神の導きで明石へ移るが、明石入道は光源氏に娘の明石の君を引き合わせ、明石の君は、のちに中宮となる明石の姫君を生んでいる。 |
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