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曲水の宴(きょくすいのえん)は、3月上巳の日(のちに3月3日)に行われていた宮中行事。 中国から伝えられた行事で、庭園の曲水に酒を満たした盃を浮かべ、盃が自分の前を流れ過ぎる前に詩歌を作る遊興。 旧暦の3月は現在の4月上旬から中旬。 桜のシーズンでもあることから花見の宴を兼ねて行われる事もあったらしい。 |
曲水の宴は奈良時代に盛んに行われ、平安時代には清涼殿の御溝水(みかわみず)に盃を流したのだという。 上の画像は、京都御所御常御殿の杉戸絵。 |
平安時代中期の摂関時代には内裏の公式行事となり、藤原道長や藤原師通なども自邸で行うようになるが、中世以降は行われなくなった。 |
現在、各地で行われている曲水の宴は、近代になって始められたもので、太宰府天満宮・上賀茂神社・赤間神宮・毛越寺・城南宮などで再興されている。 城南宮では、神苑「楽水苑」で4月29日(昭和の日)と11月3日(文化の日)に行われる。 太宰府天満宮は3月第一日曜日。 上賀茂神社は4月上旬に行われる。 赤間神宮は3月第一日曜。 赤間神宮では、壇ノ浦の戦いで入水した安徳天皇や平家一門の霊を慰める神事として雛流しが行われる。 |
東北地方でも陸奥国府が置かれた多賀城や平泉の毛越寺で曲水の宴が行われていたといわれる。 毛越寺の庭園の遣水は平安時代の遺構で、5月の第四日曜日に曲水の宴が再現されている。 |
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