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円覚寺の開山無学祖元(仏光国師)の頂相彫刻(国重文)。 正続院の開山堂に安置されている。 鎌倉時代。寄木造。 像高62.0p。 鉢の張った頭部などに禅像の威風が表された傑作。 祖元が示寂した1286年(弘安9年)から間もなく造られたものと考えられている。 1279年(弘安2年)8月20日に中国宋から来日した無学祖元は、建長寺の第五世住持となり、八代執権北条時宗の師として鎌倉幕府御家人からも信仰を受けた。 特に蒙古の襲来に際しては、時宗の政策に大きな影響を与えた。 |
無学祖元が来日する前のある日こと。 いつものように坐禅を組んでいると、金色の龍と青い鳩を連れ、頭には冠をつけ笏を持った神のような人が現れた。 その人は「我の国に来て仏法を広めてほしい」と頼み、「そうなった時には我がそなたを守護する」と言ったのだという。 そんなことが何回かあったが、神のような人はどこの誰とも名乗ることはなかった。 そのうち、祖元は北条時宗の招きで日本へ渡ることとなる。 鎌倉に来て間もなく、鶴岡八幡宮を参拝するよう勧められた祖元は、さっそく鶴岡八幡宮を参ってみると楼門の梁にたくさんの鳩がいた。 その時、鳩が八幡神の使いだと知った祖元は、以前、自分の所に来た神のような人は鶴岡八幡宮の神だったと悟ったのだという。 そして、円覚寺の開山塔正続院には、祖元が来日する際に、舟を守護していた龍が宿したという「宿竜池」と呼ばれる池があったのだとか。 このような伝説から「木造仏光国師坐像」の椅子には龍と鳩の彫刻があるのだと伝えられている。 参考までに、円覚寺の国宝「洪鐘」は、正続院にあったという宿竜池の底から金銅を得て鋳造されたものと伝えられている。 ただ、円覚寺の正続院は室町時代に、建長寺にあった無学祖元の塔所を移したものなので、宿竜池があったのは建長寺なのかもしれない。 |
正続院 |
白鷺池 |
白鷺池は、無学祖元が白鷺に姿を変えた鶴岡八幡宮の神霊に導かれた場所なのだという。 |
瑞鹿山 |
白鹿洞 |
円覚寺の創建時には、無学祖元の法話を聞くために白鹿が出てきたのだという。 |
円覚寺の宝物 莫煩悩〜禅に求めた不動心:北条時宗と蒙古襲来〜 臨刃偈〜円覚寺開山・無学祖元(仏光国師)の逸話〜 |
円覚寺の宝物は11月の宝物風入のときに拝観できる。 ※木造仏光国師坐像の展示はない。 |
正続院 |
開山忌 |
円覚寺塔頭の正続院は無学祖元の塔所。 10月3日の開山忌には正続院の舎利殿に一山の僧侶が集まり法会が行われる。 |
円覚寺は、八代執権北条時宗が宋の禅僧無学祖元を招いて開かれた。 臨済宗円覚寺派大本山。 鎌倉五山の第二位。 |
鎌倉市山ノ内409 0467(22)0478 JR北鎌倉駅下車すぐ |
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