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野宮神社(ののみやじんじゃ)は、伊勢神宮に仕える斎王が伊勢に赴く前に身を清めたという「野宮」(ののみや)の一つだった地に鎮座する社。 斎王は、天皇の即位ごとに占いによって選ばれた伊勢神宮または賀茂神社に巫女として奉仕した未婚の内親王または女王のこと。 伊勢神宮の斎王は斎宮、賀茂神社の斎王は斎院とも呼ばれた。 参考までに、春日大社や大原野神社に奉仕した未婚の女性は斎女(いつきめ)と呼ばれていた。 斎王は伊勢神宮や賀茂神社へ赴くにあたり、宮城内に設けられた初斎院で一定期間心身を清め、その後、宮城外の清らかな地として選ばれた「野宮」で心身を清めた。 「野宮」の場所は天皇の即位ごとの定められていたが、嵯峨天皇の皇女・仁子内親王のときから野宮神社の鎮座地に造営されたのだという。 |
斎宮神社も野宮の旧蹟とされる。 |
黒木鳥居は、木の皮を剥かないまま使用する日本最古の鳥居様式。 野宮神社の黒木鳥居には「クヌギ」が使用されている。 |
野宮神社は、紫式部の『源氏物語』~賢木の巻~で、光源氏がお忍びで六条御息所を訪ねた所。 光源氏と深い中にあった六条御息所は、源氏の妻・葵の上と賀茂祭(葵祭)でトラブルを起こし、とりついて殺してしまうという人物。 「賢木の巻」では、斎王になった娘(のちの秋好中宮)とともに野宮で暮らし、源氏と別れを惜しんだ後、斎王とともに伊勢へ下っていく・・・ 賀茂神社の祭礼「賀茂祭」は毎年5月に行われ、路頭の儀では斎王代が巡行する。 野宮神社でも10月に斎王が伊勢神宮へと向かう行列を再現した「斎王群行」が行われる。 参考までに・・・ 野宮で身を清めた斎王は、大極殿で天皇から「別れの御櫛」を挿してもらうのが慣わしで、「賢木の巻」にはその様子も描かれている。 三条天皇は皇后宮・藤原娍子が産んだ当子内親王が伊勢へ赴く際の「別れの御櫛」で、互いに振り返ってはならない決まりにもかかわらず、別れがたさから思わず振り返ってしまったのだとか。 |
『伊勢物語』で斎宮の女房と勅使の男が詠んだ歌と、『源氏物語』で六条御息所と光源氏が詠んだ歌。 |
ちはやぶる 神の斎垣~伊勢物語と源氏物語の歌~ |
斎宮邸跡 |
白鬚神社 |
斎宮邸は、斎王(斎宮)の居所で、西京高校がその跡地の一つとされている。 滋賀県高島市の白鬚神社は、神話の中での初代斎宮・倭姫命が建てた社。 越前に下向する紫式部が参拝したとされ、境内には紫式部の歌碑が建てられている。 |
京都市右京区嵯峨野宮町1 京福電鉄「嵐山駅」下車約10分 JR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」下車約15分 阪急「嵐山駅」約20分 |
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