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なほざりの たよりに訪はむ 人ごとに うちとけてしも 見えじとぞ思ふ |
「他の女のところに行く通りすがりに声をかけても、心を許してお目にかかることはいたしません・・・」 この歌は、門の前を通りかかった藤原宣孝が 「普段のままが見たい」 と出してきた手紙に書きつけて返してやったものらしい。 |
よこめをも ゆめいひしは 誰なれや 秋の月にも いかでかは見し |
「浮気は絶対しないと言っていたのは誰でしょう? 昨夜の秋の月はどのようにご覧になったのでしょう?」 この歌は、月見の夜に訪れてこなかった藤原宣孝が、翌朝、言い訳のようなことを言ったので詠んだもの。 「どうせ、他の女と月見をしたのでしょ!」を言っているのだとか・・・ |
なにばかり 心づくしに ながめねど 見しにくれぬる 秋の月影 |
「秋の月を、これといって心を傾けて眺めていたわけではないが、見ているうちに涙で曇ってしまった・・・」 |
廬山寺は、藤原宣孝が通っていた紫式部の邸跡に建てられている寺。 この場所で宣孝を待っていた紫式部。 参考までに・・・ 『源氏物語』にも影響を与えたという『蜻蛉日記』の作者・藤原道綱の母も藤原兼家の浮気に悩んでいたらしい。 |
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