紫式部「光る君へ」


紫式部の歌
~浮気する藤原宣孝への反発の歌~


編集:yoritomo-japan.com








 なほざりの
 たよりに訪はむ
 人ごとに
 うちとけてしも
 見えじとぞ思ふ


 「他の女のところに行く通りすがりに声をかけても、心を許してお目にかかることはいたしません・・・」

 この歌は、門の前を通りかかった藤原宣孝

 「普段のままが見たい」

 と出してきた手紙に書きつけて返してやったものらしい。



 よこめをも
 ゆめいひしは
 誰なれや
 秋の月にも
 いかでかは見し


 「浮気は絶対しないと言っていたのは誰でしょう?

 昨夜の秋の月はどのようにご覧になったのでしょう?」

 この歌は、月見の夜に訪れてこなかった藤原宣孝が、翌朝、言い訳のようなことを言ったので詠んだもの。

 「どうせ、他の女と月見をしたのでしょ!」を言っているのだとか・・・



 なにばかり
 心づくしに
 ながめねど
 見しにくれぬる
 秋の月影


 「秋の月を、これといって心を傾けて眺めていたわけではないが、見ているうちに涙で曇ってしまった・・・」





京都:蘆山寺
リンクボタン廬山寺

 廬山寺は、藤原宣孝が通っていた紫式部の邸跡に建てられている寺。

 この場所で宣孝を待っていた紫式部

 参考までに・・・

 『源氏物語』にも影響を与えたという『蜻蛉日記』の作者・藤原道綱の母藤原兼家の浮気に悩んでいたらしい。



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