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入るかたは さやかなりける 月影を うはのそらにも 待ちし宵かな |
「あなたが他の女の所に行くとわかっていたのに、それでもうわの空で待っていた・・・」 紫式部と藤原宣孝の結婚は、宣孝が紫式部のところに訪れて数日間を暮らす「通い婚」。 この歌は、紫式部のところへ通わなくなった宣孝の言い訳の手紙に対して詠んだもの。 |
さして行く 山の端もみな かき曇り 心も空に 消えし月影 |
「山の端がすっかり曇ってしまったように、あなたの機嫌がよくなかったので行けなかったのです」 藤原宣孝の返歌。 |
おほかたの 秋のあはれを 思ひやれ 月に心は あくがれぬとも |
「世に言う秋の悲しみを思ってください。 月のように美しい人に心は奪われていても、飽き(秋)られてしまった私の哀しみを思いやってください」 9月の月の明るい夜に紫式部が詠んだもの。 |
廬山寺は、藤原宣孝が通っていた紫式部の邸跡に建てられている寺。 もともと浮気性の宣孝。 結婚前には、紫式部に求婚しているにもかかわらず、近江守の娘にも懸想していたことも・・・ |
紫式部の歌~藤原宣孝の求婚を拒否する歌~ 紫式部の歌~藤原宣孝が来ない邸宅で嘆く紫式部~ 紫式部の歌~夫婦仲に秋風が立ち、天の川の逢瀬を羨む~ 紫式部の歌~浮気する藤原宣孝への反発の歌~ 通い婚・妻問婚と藤原道長と紫式部 |
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