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紫式部の『源氏物語』~朝顔の巻~では、雪がたいそう降り積もった月の夜、二条院の庭は幻想的な風景となり、光源氏は御簾を巻き上げさせ・・・ 雪の庭に童女たちをおろして、雪転ばしをさせ、藤壺中宮の御前で雪山を作ったことを思い出している。 清少納言の『枕草子』~職の御曹司におはします頃の段~には、清涼殿、春宮、弘徽殿、京極殿などで雪山が作られたことが記されている。 また、~雪のいと高う降りたるをの段~では、清少納言が御簾を高く上げると中宮・藤原定子は満足気に笑ったことも記されている。 これは、白楽天(白居易)の『白氏文集』の「香炉峯の雪は簾を撥げて看る」を踏まえたもの。 『源氏物語』で光源氏が御簾を巻き上げさている描写も同じ。 |
『枕草子』~雪のいと高う降りたるを・香炉峰雪簾撥看~ 清少納言の歌~雪の山を作ったときに詠んだ歌~ |
「空寒み 花にまがへて 散る雪に すこし春ある 心地こそすれ」 この歌は、藤原公任から贈られた下の句に清少納言が上の句をつけて完成させたもの。 知識人の公任がどう思うか心配だったようだが、評判は上々だったらしい。 |
清少納言の歌~藤原公任との連歌:白楽天の詩を踏まえて~ |
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