紫式部「光る君へ」


雨夜の品定め
源氏物語:帚木の巻


編集:yoritomo-japan.com








 五月雨が降り続く宮中の「物忌の日」の夜。

 退出できずに暇を持て余していた光源氏のもとに、正妻・葵の上の兄・頭中将がやってきて、自らの女性論について語り始めた。

 そこへ、左馬頭と藤式部丞が加わる。


 頭中将

 「理想的な女性というのはめったにいない。

 上流階級の女性は周囲に助けられてよく見えることが多いが、中流階級にはちょっと変わった個性的な女性が多い・・・」

 などと語ると、

 左馬頭は中流階級の女性の面白さについて語り始める。


 冷やかし半分に聞いていた光源氏だったが・・・

 各々の経験談を聞いているうちに、中流階級の女性に興味を持つようになってしまう。

 そして・・・

 後日、方違えのために訪れた伊予介の長男・紀伊守の屋敷で空蝉と出逢うことに。

 その後、光源氏夕顔末摘花といった中流階級の女性とも・・・





~物忌の日~

 「物忌の日」は、引き篭って謹慎生活を送る日。

 宮中の御物忌のときには、帝は部屋に引き篭もり、貴族たちも宮中を退出することができなかった。


リンクボタン物忌み~源氏物語にも描かれた陰陽道信仰~



~方違え~

 「方違え」は、方位神のいる凶の方角に向かう前に吉の家に赴くこと。

 方位神のいる方角を「方塞がり」といったらしい。

 紫式部『源氏物語』~帚木の巻~では・・・

 光源氏は、宮中の御物忌が終わって左大臣邸にいる正妻の葵の上を訪ねるが、宮中からみて左大臣邸は「方塞がり」なので、紀伊守邸に方違えしている。


リンクボタン方違え~方位神のいる方角を避ける陰陽道の信仰~










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