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天園ハイキングコースから十王岩下の古道に入ると、朱垂木やぐら群がある。 約50穴ほどのやぐら群。 その中央にあるのが「朱垂木(しゅだるき)やぐら」と呼ばれるもの。 このやぐらには納骨穴がなく、羨道の天井には紅殻(べんがら)塗りの平行線が描かれている。 これは朱塗の垂木を表したものであると考えられており、朱垂木という名もそこから付けられた。 |
朱垂木やぐらの内部は法華堂的な形式になっていて、門扉の跡も発見されていることから、やぐら群全体での儀式を行う仏殿であったと考えられている。 とくに側面に浮彫されている2基の位牌は、他のやぐらには例がみられない。 この位牌の形式は海蔵寺に安置されている位牌と同じであることから、室町時代のやぐらとも考えられている(参考:海蔵寺の仏殿(薬師堂))。 奥の壁面には、光背にあたると思われる浮彫りが施され、前面に仏像を安置したと思われる壇も残されている。 |
天園ハイキングコースにある十王岩。 ここから、鶴岡八幡宮から海岸に向かって延びる若宮大路を一望することができる。 朱垂木やぐら群は、十王岩の南西の山腹に点在する。 |
朱垂木やぐら(十王岩〜回春院) 鎌倉アルプスの散策・・・前編 後編 |
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