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「釈迦堂トンネル」の東側は、かつて北条時政の名越亭があったところとされていた。 その裏門の切通から少し下がったところに「唐糸やぐら」がある。 |
このやぐらに、木曽義仲が源頼朝のもとに送り込んだという唐糸が幽閉されていたと伝えられている。 |
源頼朝の従兄弟である木曽義仲は、頼朝の様子をうかがうため、琵琶と琴の名手だった唐糸(義仲の家臣・手塚太郎光盛の娘)を鎌倉に送り込んだ。 唐糸は、頼朝が義仲を討とうとしていることを知ると、頼朝を暗殺しようと企てるが、頼朝に覚られ、釈迦堂近くの「やぐら」に幽閉されてしまう。 それを救ったのが唐糸の娘の万寿姫で、万寿は頼朝に仕えると鶴岡八幡宮に奉納する舞の舞姫に選ばれ、その舞が頼朝に気に入られた。 頼朝の「何でも望みのものをやる」との言葉に、「母親を助けてほしい」と頼んだそうである。 頼朝は驚いたが、その願いを聞き入れたのだという。 |
許された唐糸と万寿は、諏訪にある手塚光盛の霞ヶ城の一角に館を建てて暮らしたと伝えられ、その地には供養塔が建てられている。 |
唐糸やぐらの隣にある地蔵像が安置されたやぐら。 五輪塔には梵字が刻まれている。 |
※ | 釈迦堂トンネル(洞門)挟んで反対側には、「日月やぐら」がある。 |
北条時政邸の裏門とされていた切通。 2008年(平成20年)の発掘調査の結果、唐糸やぐらのある場所は北条時政邸ではなかったことが判明している。 |
釈迦堂切通と大町釈迦堂口遺跡(okadoのブログ) |
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