鎌倉手帳(寺社散策)

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金沢八景

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 金沢の景色は、鎌倉五山の禅僧から、現中国杭州市の西湖と似ているといわれてきた。

 そして、江戸時代初期に、明の禅僧、東皐心越(とうこうしんえつ)が、徳川光圀の『新編鎌倉志』に基づいて、能見堂から見た景色を故郷の「瀟湘八景」のなぞらえて漢詩を詠んだことで、金沢八景の名が広まったといわれている。

 江戸後期には、金沢八景発祥の地である能見堂からの眺望の衰退により、金龍院内に展望台「九覧亭」が設置されている。





 金沢八景は多くの絵に描かれたが、浮世絵師 歌川広重の『金沢八景』がその代表となっている。


小泉夜雨
(こずみのやう)
〜手小神社〜

かぢまくらとまもる雨も袖かけてなみだふる江の昔をぞおもふ

金沢八景・小泉夜雨



称名晩鐘
(しょうみょうのばんしょう)
称名寺

はるけしな山の名におふかね沢の霧よりもるゝ入あひのこえ

金沢八景・称名晩鐘



乙舳帰帆
(おっとものきはん)
海の公園の内陸

沖津舟ほのかにみしもとる梶のおとものうらにかへる夕波

金沢八景・乙舳帰帆



洲崎晴嵐
(すさきのせいらん)
州崎神社

にぎはえるすさきの里の朝けぶりはるゝあらしにたてる市人

金沢八景・洲崎晴嵐



瀬戸秋月
(せとのしゅうげつ)
瀬戸神社

よるなみの瀬戸の秋風小夜更て千里のおきにすめる月かげ

金沢八景・瀬戸秋月



平潟落雁
(ひらがたのらくがん)
〜平潟湾〜

跡とむる真砂にもじの数そへてしほの干潟に落ちるかりがね

金沢八景・平潟落雁



野島夕照
(のじまのせきしょう)
〜野島夕照橋〜

夕日さす野島の浦にほすあみのめならぶ里のあまの家々

金沢八景・野島夕照



内川暮雪
(うちかわのぼせつ)
〜内川入江または平潟湾〜

木陰なく松わむもれてくるゝともいざらし雪のみなと江のそら

金沢八景・内川暮雪









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