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東慶寺の水月堂に安置されている「木造彩色水月観音坐像」(もくぞうさいしきすいげつかんのんざぞう)は、 京都では見ることのできない鎌倉地方独特の彫刻で、白衣をまとい岩坐の上にゆるやかに、やや斜めに腰をかけ、水に映る月を眺めている像(国重文)。 南北朝時代のもので寄木造。 像高41.7p。 女性的な穏やかさがある像として知られる。 同じような姿をしている仏像では、建長寺の白衣観音像(画像)、横須賀清雲寺の滝見観音像などが知られている。 武家の都・鎌倉は、中国からさまざまな文化を取り入れ、鎌倉独特の新しい文化を生み出していった。 東慶寺では、土紋装飾が施された聖観音像も中国様式を取り入れた代表的な仏像の一つ。 水月観音坐像は、毎月18日の観音菩薩の縁日に参拝することができる。 |
東慶寺の水月観音と同じような姿をしたものは水墨画に多く描かれ、岩座の水瓶に柳の枝をさしていることから楊柳観音(ようりゅうかんのん)とも呼ばれました。 |
水面に映る月を眺める水月観音・・・東慶寺(okadoのブログ) |
「木造彩色水月観音坐像」が安置されている水月堂は、 1959年(昭和34年)、加賀前田家の持仏堂が移築されたもの。 それまで、「木造彩色水月観音坐像」は、鶴岡八幡宮境内にある鎌倉国宝館に寄託されていた。 |
東慶寺は、北条時宗の妻覚山尼が開いた。 かつては、鎌倉尼五山第二位の格式を誇り、夫の横暴に悩む女性の救済場所だった。 |
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