紫式部「光る君へ」


紫式部の歌
~めづらしき・・・~


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 めづらしき
 光さしそふ
 さかづきは
 もちながらこそ
 ちよもめぐらめ


 「若宮の誕生で新しい光が射した盃は、望月と同じように欠けることなく、人々の手から手へと千年もめぐることでしょう」

 この歌は、後一条天皇(敦成親王)が生まれて五日目の「御産養」のときに紫式部が詠んだもの。

 皇子の誕生という輝かしい光があふれているところに満月の光も池に射している。

 池の橋で酒に酔い痴れる藤原道長らから盃がまわってきたときに詠んだ賀歌。


 この世をば わが世とぞ思ふ 望月の
 かけたることも なしと思へば


 この歌は、藤原道長が三后のすべてを我が娘で占めるという前代未聞の偉業を達成したときに詠んだもの。

 栄華を極めた道長の「望月の歌」として知られているが・・・

 実は、紫式部の歌を真似て詠んだものという説がある。



 曇りなく
 千歳にすめる
 水の面に
 宿れる月の
 影ものどけし


 「濁りなく、千年経っても澄んでいるであろう水の面に映っている月のように、殿(道長)も若宮も平穏安泰なことだ」

 この歌は、「御産養」の翌日、美しい月が曇りなく照らした夜、若い人たちが舟に乗って管弦の遊びをするのを眺めながら詠んだ歌。



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紫きぶ七橋・鈴虫橋
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 後一条天皇(敦成親王)の「五十日の祝い」では、若宮を思う紫式部と道長の歌の贈答があった。




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