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ある日の明け方、建長寺の蘭渓和尚のところに立派な装束の人がやってきて、蘭渓和尚の寝所(方丈)の池にあった松の木に坐って、仏法について語り合って帰っていった。 別れ際に蘭渓和尚が「どちらの方ですか」と尋ねると、その人は「鶴岡に住んでいるもの」といって姿を消したのだという。 松の梢は蘭渓和尚の寝室の軒に覆いかぶさるように傾いていたそうで、それを見つけた僧たちが蘭渓和尚に報告すると、蘭渓和尚は八幡さまが長く坐っていたので傾いたのだろうと説明したのだとか。 その後、その松は根方を垣根で囲まれ「影向の松」(ようごうのまつ)と名付けられ崇められたのだという。 影向とは、神仏が仮の姿となって現れること。 その「影向の松」は、1414年(応永21年)に建長寺が全焼したときに、一緒に焼けてしまったのだと伝えられている。 |
方丈 |
方丈庭園 |
現在は、各種の催しに使用されている方丈は、住職の居間だった。 方丈庭園は蘭渓道隆の作庭と伝えられ、国の名勝に指定されている。 |
※ | 「影向の松」の伝説は、沢寿郎先生の「かまくらむかしばなし」より。 |
建長寺は、五代執権北条時頼が宋の蘭渓道隆を招いて開いた日本で初めての「禅専門道場」。 臨済宗建長寺派大本山。 鎌倉五山の第一位。 |
鎌倉市山ノ内8 0467(22)0981 JR北鎌倉駅から徒歩15分 |
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