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日本に琵琶が伝えられたのは7~8世紀頃で、正倉院の「螺鈿紫檀五弦琵琶」は世界で唯一現存している五弦琵琶らしい。 唐楽(雅楽)として伝来した琵琶は、紫式部の『源氏物語』も登場する。 絵合の巻では、光源氏の弟・帥の宮は 「七弦琴を弾き、次に横笛、琵琶、箏の琴を次々に習得した」 と光源氏が琵琶の名手であることを語っている。 ただ、『源氏物語』で光源氏が琵琶を弾く場面はない。 唐楽(雅楽)で楽器のみの演奏を管絃と呼ぶが、管楽器には横笛や笙、絃楽器は琵琶や箏・和琴がある。 これらの楽器の合奏の場合、担当する者の優先順位があったらしい。 光源氏や頭中将などの社会的地位の高い者は、管楽器では笛、絃楽器では箏を担当している場面が多い。 『源氏物語』で琵琶の名手というと、明石の巻で光源氏を明石に連れて行った明石入道。 光源氏が琴を弾いていると、明石入道も琵琶を持って参上している。 そして、明石入道の娘・明石の君も琵琶の名手。 若菜下の巻では、六条院で女楽が催され、明石の君が琵琶、紫の上が和琴、明石女御が箏、女三宮が琴を担当。 四人の演奏はそれぞれ優れていたが、中でも明石の君は優れていたと評されている。 |
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