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海蔵寺仏殿の裏のトンネルをくぐると岩窟があって、その中に丸く掘られた穴が縦横4つずつ並んでいる。 「十六ノ井」と呼ばれているが、何のための穴なのかは判っていない。 |
岩窟内部正面の壁面には、観音菩薩像が安置されている。 この像は、1446年(文政6年)に安置された石像といわれ、その以前までは青銅製の観音菩薩像が安置されていたという。 観音菩薩像の下に置かれているのは弘法大師像。 観音像左の壁面には、1306年(嘉元4年)の銘が入った阿弥陀三尊来迎図を刻んだ板碑がはめ込まれていた。 現在は鎌倉国宝館に寄託されている(下の写真)。 16の穴について、『扇谷山海蔵略寺縁起』には、開山が観世音菩薩のお告げによって井戸を掘り出し、その時に観音菩薩像も出てきたと伝えている。 一方で、弘法大師が掘ったもので、仏に奉納する水を汲んだ井戸であるとする伝説も残されている。 また、学者の中には納骨穴ではないかという説もある。 謎の多い井戸で、詳しいことは解明されていない 参考までに、宝戒寺裏の滑川沿いで、1935年(昭和10年)に発見された「紅葉山やぐら」でも、「十六ノ井」と同じ形のものが発見されている。 |
海蔵寺は、殺生石の伝説でも知られる心昭空外(源翁禅師)よって開かれた寺。 本尊の薬師如来は、鎌倉十三仏に数えられている。 |
鎌倉市扇ガ谷4−18−8 0467(22)3175 鎌倉駅西口より徒歩20分 |
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