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露しげき 蓬が中の 虫の音を おぼろけにてや 人のたづねむ |
「箏の琴を貸してもらいたい」と言っていた友人が、 「やっぱりお宅に参って直接習いたい」 と連絡してきたことへの返事として詠んだ歌。 紫式部がこの歌を詠んだ時期については出仕した後という説あるようだが、夫の藤原宣孝を亡くして独りで暮らしていた頃のものとする説が有力。 「露が落ちて湿っぽく庭は蓬に覆われている我が家。 そこで鳴く虫の音のような私の箏の琴を習いに来てくれるのですね」 |
時期については、花山天皇の出家(退位)によって、父の藤原為時が式部丞を辞した頃の事という説もある。 為時は、986年(寛和2年)の寛和の変で花山天皇が仏門に入ったことで出世が途絶え、996年(長徳2年)、越前守に叙任されるまで官職のない日々が続いた。 その頃の荒れ果てた屋敷の様子が詠まれているのだという。 |
廬山寺は紫式部の邸跡といわれ、ここに夫の藤原宣孝が通い、結婚生活が営まれていたらしい。 |
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