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をりからを ひとへにめづる 花の色は 薄きを見つつ 薄きとも見ず |
「時節に応じてひたすら愛でる山吹の花の色は、薄い色に見えても薄いとは感じません」 八重山吹を折ってある貴人に贈ったところ、時季おくれの散り残りの一重山吹を贈ってもらったので詠んだ歌。 紫式部に散り残りの一重山吹を贈ってきた貴人は誰か? この歌は、夫の藤原宣孝が亡くなって一周忌を迎える頃のものと考えられている。 貴人は、散り残りの花を贈って、この花のように強く生きるよう伝えているらしい。 藤原道長か藤原彰子とも考えられるが、まだ出仕する前のことなので、これほど親しい間柄ではなかったはず。 そうすると、再従姉妹(はとこ)にあたる源倫子なのかもしれない。 紫式部は、倫子が道長と結婚した時に、倫子付の女房として仕えていた可能性があるのだという。 |
紫式部は「源倫子にも仕えていた」という説 |
源倫子は、娘の彰子の出産が間近となった1008年(寛弘5年)9月9日、彰子に仕えていた紫式部に「菊の着せ綿」を贈っている。 |
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