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夕霧に み島がくれし 鴛鴦の子の 跡を見る見る まどはるるかな |
「夕霧で島影に隠れた鴛鴦の子が跡を見て途方にくれているように、父の筆跡を見ながら悲嘆にくれています」 この歌は、亡くなった藤原宣孝の娘が宣孝の書きつけを見て詠んだもの。 |
※ | 鴛鴦はオシドリのつがいのことで、仲の良いことのたとえ。 |
散る花を 嘆きし人は 木のもとの さびしきことや かねて知りけむ |
「散る花を嘆いていた人は、散った後の木も寂しいことを知っていたのでしょうか」 この歌は、藤原宣孝の娘が「荒れた家の桜の花が美しい」というので紫式部が詠んだもの。 生前、宣孝が自分の亡き後の子たちの行く末を案じていたことを伝える歌。 「思ひ絶えせぬ」は・・・ 「咲けば散る 咲かねば恋し 山桜 思ひ絶えせぬ 花の上かな」 という中務(なかつかさ)の歌からのものらしい。 |
※ | 宣孝の娘は他の妻が産んだ子で、紫式部が産んだ賢子(大弐三位)ではない。 |
廬山寺は、紫式部の邸跡に建てられている寺。 紫式部の夫・藤原宣孝は1001年(長保3年)4月25日に死去。 露しげき 蓬が中の 虫の音を おぼろけにてや 人のたづねむ 夫が亡くなった後の邸宅は、露が落ちて湿っぽく庭は蓬に覆われていたらしい。 |
紫式部の歌~露しげき・・・~ |
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