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三笠山 おなじ麓を さしわきて 霞に谷の へだつなるかな |
「同じ三笠山(近衛府)の麓なのに、霞が谷を隔てるように、あなたは私を差別して仲間はずれにしていますね」 紫式部と同じ細殿に住む隣の局の中将が、紫式部と少将の君が毎晩のように語らっているのを聞いて詠んだ歌。 宮中に仕える女房たちの部屋は、内裏の殿舎の庇の間(細殿)を仕切ったものだった。 |
さしこえて 入ることかたみ 三笠山 霞ふきとく 風をこそ待て |
「谷を越えて入っていくことが難しいので、三笠山(近衛府)の霞を吹き散らしてくれる風を待っているのです」 紫式部の返歌。 三笠山(御蓋山)は、春日大社の神が迎えられた山。 天皇の御蓋となってそば近くで警衛にあたるという意味から、近衛の大将・中将・少将などの称となったらしい。 |
春日大社は藤原氏の氏神。 紫式部が信仰した大原野神社は、春日大社を勧請して創建された社で「京春日」と呼ばれた。 |
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