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源頼朝が鎌倉に入った頃の事。 頼朝は、鎌倉には谷戸が多いので、その数を調べることとした。 その方法は、谷戸ごとに「のろし」を上げさせて数えるというもの。 一番高い山に登って「のろし」を数えていた頼朝は、長谷の谷戸で五色の煙をたなびかせている「のろし」を発見。 さっそく、家来に命じて調べさせた。 すると、一人の婆さんが「麻のから」と「胡麻のから」を燃やしていたのだという。 「五色ののろし」に感心した頼朝は、婆さんを呼び出して、褒美をとらせることに。 糊を売ることを生業としていた婆さんが望んだのは、鎌倉での糊の販売の独占権。 頼朝はすぐに婆さん以外の者が糊を売ることを禁止。 やがて、婆さんは大金持ちに。 そして・・・ 大金持ちになれたのは仏様のおかげと考えた婆さん。 長谷の谷戸に大きな仏像を造ることを思い立ち、頼朝に仏像建立の許しを願い出ると、頼朝は婆さんの奇特な志に感心し、自分も大金を出して助力したのだとか・・・ 出来上がったのが鎌倉大仏。 昔は、こんな話も語り継がれていたようです。 |
※ | この伝説は、沢寿郎先生の「かまくらむかしばなし」より。 |
※ | 『鎌倉大仏縁起』によると、関東で糊を業とするのは稲多野局から始まったのだという。 |
鎌倉大仏は、中国の宋朝様式の中にも日本風の意匠が認められる傑作。 昭和33年2月8日、国宝に指定されている。 |
鎌倉市長谷4−2−28 0467(22)0703 江ノ電「長谷駅」から徒歩10分 |
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