紫式部「光る君へ」


紫式部の歌
~もの思いに悩む人との贈答歌~


編集:yoritomo-japan.com








 霜こほり
 とぢたるころの
 水くきは
 えもかきやらぬ
 ここちのみして


 「霜が凍って流れをとざしている氷を掻きのけることが出来ないように、十分な返事は書けないような気がします」

 もの思いに悩まされている人が悩み事をうちあけてきたときの歌。

 時期は「霜月」(11月)。

 紫式部は、どう返事をしてよいのかわからないらしい。

 紫式部自身もつらい思いを抱えていたという解釈もある。



 ゆかずとも
 なほかきつめよ
 霜こほり
 水のそこにて
 思ひながさむ


 「筆が進まなくても、やはりお手紙をください。霜や氷に閉ざされた私の悩みも流せるでしょうから」

 この人は、「はるか遠い所へ行こうかどうか悩んでいる人」と同じ人なのかもしれない。


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