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亡き人に かごとをかけて わづらふも おのが心の 鬼にやはあらぬ |
「後妻に亡き先妻の物の怪がついて悩んでいるのは、自分の心の中に鬼がいるからなのでは?」 この歌は、物の怪がついた女(後妻)の醜い姿を描いた図の背後に、鬼になった先妻を小法師が縛っている姿を描いて、夫は経を読んで、物の怪を退散させようとしている物語絵を見て詠んだもの。 紫式部が見た物語絵の男は、先妻に酷い仕打ちをしていたのかもしれない・・・ |
ことわりや 君が心の 闇なれば 鬼の影とは しるく見ゆらむ |
「その通りですね。あなたの心が闇だから、鬼の姿が見えるのでしょう・・・」 この歌の「君」とは、紫式部のことらしい(諸説ある)。 作者については、侍女や乳母など諸説ある。 |
『源氏物語』~葵の巻~では・・・ 光源氏の正妻・葵の上が、賀茂祭見物に出かけた際の車争いが原因で、光源氏の愛人・六条御息所の生霊にとりつかれてしまう。 六条御息所は光源氏に心変わりされて悩み、光源氏はそれを和らげてあげようとしなかった。 光源氏は生霊を目撃しているが、見えたということは、心に闇を抱えていたということなのかもしれない。 光源氏は葵の上にも冷たくあたっていたようだが・・・ |
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