|
霊鐘堂に安置されているのは「弁慶の引き摺り鐘」と呼ばれる古鐘。 奈良時代の鋳造とされ、園城寺を中興した智証大師入山以前の遺品。 園城寺初代の梵鐘(重要文化財)。 そもそも、この鐘は、承平年間(931年−938年)に三上山のムカデ退治をした田原藤太秀郷が琵琶湖の龍神からお礼にもらった鐘を園城寺に寄進したものなのだとか・・・ |
伝説によると・・・ 園城寺と比叡山との間で争いが起こったとき、武蔵坊弁慶はこの鐘を奪って比叡山に引きずり上げたのだそうです。 そして、鐘を撞いてみると「イノー・イノー」(関西弁で帰りたい)と鳴ったのだとか。 すると弁慶は「そんなに三井寺に帰りたいのか!」と怒って鐘を谷底へ投げ捨ててしまったのだといいます。 鐘に残されている傷や破れ目はその時のものらしい・・・ |
比叡山の衆徒が無動寺谷から鐘を落すところ。 |
さ〜てこの鐘。 悪いことが起こる時は鐘が汗をかき、撞いても鳴らず、良いことが起こる時は撞かなくても鳴ったのだとか・・・ 建武の騒乱のときには、略奪を恐れて鐘を地中に埋めたのですが、自ら鳴り響き、足利尊氏が勝利したのだといいます。 『園城寺古記』によると、1592年(文禄元年)7月、鐘が鳴らなくなってしまいます。 悪いことが起こると心配して様々な祈祷を行うと8月になってようやく鳴るようになったのだっとか。 それを聞いた豊臣秀吉は、大津城主に鐘楼を建てるように命じたのだそうですが・・・ 鐘楼は建てられる事はなく、3年後に園城寺は秀吉の怒りに遭ってしまいます。 |
鋳鉄製の大器。 武蔵坊弁慶が鐘を奪い取った時に残していったものなのだとか・・・ 僧兵たちが用いたことから「千僧の鍋」とも呼ばれている。 |
(三井寺女人詣) 右上に弁慶の汁鍋が描かれています。 |
園城寺(三井寺)は、天台寺門宗の総本山。 日本三不動の一つ黄不動、三井の晩鐘、三井の霊水で知られる。 |
滋賀県大津市園城寺町246 京阪電鉄石山坂本線三井寺駅より徒歩10分 別所駅より徒歩12分 JR西日本東海道本線(琵琶湖線)大津駅より 京阪バス三井寺バス停下車 JR西日本湖西線大津京駅より京阪バス三井寺バス停下車 |
大きい地図を見るには・・・右上のフルスクリーンをクリック。 |
|